
「見えるもの」と「見えないもの」〜パッチ・アダムスと福祉の現場から学ぶこと〜
2025.07.03
こんにちは!
めだかファミリーグループの押川です。
今日は、僕がずっと心に残っている大好きな映画のワンシーンをご紹介したいと思います。
映画「パッチ・アダムス」より
アーサー「何本に見える?」
指を4本見せるアーサーに対して、
パッチ「4本です。」
アーサー「違う違う。私を見るんだ。君は“問題”にフォーカスしている。問題にとらわれると、解決策が見つけられない。私を見て、指の向こう側を見るんだ。何本に見える?」
焦点をアーサーに合わせると、指がぼやけて8本に見える。
パッチ「…8本です。」
アーサー「そうだ!8本が正解だ!誰もが見ようとしないものを見ろ。恐れや既成概念に縛られず、世界を新しい視点で見直すんだ。」
このシーンは、映画「パッチ・アダムス」の冒頭に出てくる場面です。
僕にとって、何度見ても胸に刺さる名場面です。
第7回 福祉の勉強会を通して
昨日、第7回福祉の勉強会が開催されました。
今回はバルトジャパンの西嶋さんによる講演のあと、参加者全員でケーススタディを行いました。
「どんな支援がその人にとって適切か?」
「共通目標は何か?」
そんな問いを軸に、障がいのある方のケースについて、多様な意見が飛び交いました。
その中で、水野メンタルクリニックの水野先生からの一言が、僕の心にグッと響いたのです。
「見えるものではなく、見えないものを見よ」
うつ病や統合失調症などの診断名を聞くと、どうしてもその「病名」だけを手がかりに支援を考えてしまいがちです。
でも水野先生は、全く違う視点からアプローチされていました。
「その人がどんな家庭環境で育ってきたのか?」
「中学・高校時代はどんな過ごし方をしていたのか?」
「今、どんな生活や人間関係があるのか?」
病気そのものではなく、その人の背景すべてを理解することから始める。
これは、映画「パッチ・アダムス」の言葉とまさに重なります。

アセスメントの本質
福祉の現場では「アセスメントが大事だ」とよく言われます。
でもその本質は、“目に見えない背景”をどれだけ深掘りできるかに尽きるのだと、改めて実感しました。
背景を知ることで初めて、本当にその人に合った支援が見えてくる。
それがなければ、個別支援計画はただの「紙の上の理想」に終わってしまうのだと痛感しました。
なので、福祉の質は「アセスメント」でわかると言っても過言ではありません。
最後に
映画「パッチ・アダムス」は、実話をもとにした物語です。
主人公パッチは、今でも世界中の人々から愛されているドクターです。
「人を病気としてではなく、人間として見る」
その精神を、自分も大切にしていきたい。
目に見えることだけではなく、
目に見えない部分にこそ、
その人らしさやその人の可能性が隠れている。
これからもそんな思いで、あらゆる人と向き合っていけたらと思います。
水野先生、西嶋さん、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
押川
水野メンタルクリニック
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